協会員のエッセイ

犬と心の物語

このコーナーは、協会員からいただいたエッセイで構成されています。




題「犬にあいさつをする」 文 YUKARI


うちには白くて大きなグレートピレニーズのJがいます。

「動物には気持ちがある」ということを知ってほしくて、いつの頃からか犬の散歩中にちょっとした工夫をするようになりました。

その工夫は、犬の名前を尋ねてあいさつするということ。
急いでなさそうな飼い主さんや、うちの子達に興味のありそうな犬がいると、「その子の名前は何ですか?」と飼い主さんに尋ねます。「いちごです。」と飼い主さんが答えてくれると、「いちごちゃん、こんにちは。」という感じで犬にあいさつをします。このあいさつを始めてから変わったことがいくつかありました。

ほとんどの飼い主さんは笑顔を見せてくれるのです。そして飼い主さんだけにあいさつをしていた時より私達全員の間が温和な雰囲気になります。
私も、愛犬のJに「白ちゃん、おはよう!」といつも言ってくれるおばさんがいるのですが、言われるたびに「Jのことを気づかってくれているのね!」と嬉しくなります。犬が受け入れられているという感じ
がするのです。

あいさつをされるわんちゃん達も喜びます。次に散歩で会った時にもちゃんと覚えていて、こちらを気にしてくれたり、待っていてくれたり、しっぽを振って近寄って来てくれたりします。
そしてJも変わりました。散歩中すれ違う度に飛びつきそうなほどお互いに吠え合っていた犬がいたのですが、「○○ちゃん、こんにちは。」とその犬に私が言うと、Jが吠えなくなり始めました。その犬も、以前はJだけに意識を集中して吠えていたのに、私にも意識を向けるようになってきてこちらの好意を受け取り始めているように私は感じました。

飼い主さんとも、以前は「あー、また大変だ」という感じでお互いの犬がけんかにならないように止めるのにひっしで終わっていたのですが、「この子はね、興味があるもんで吠えちゃうんですよ。悪気はないんだけどね。」と話してくれるようになりました。
吠える犬=悪いというのではなく、理由があって吠えるということや愛犬の心を解ってもらいたいという気持ちがあったのだなと思いました。

散歩中に会う子達の名前を言ってみると、「いちごちゃん、けん、ボー、なつ、リズ、シグレ、チェルシー、バニラ、メロディー、ライト、はなちゃん、などなど、それぞれの飼い主さんが思い思いに付けた名前なのだなと微笑ましく思います。そして今までは気がつかなかったけれどずいぶん沢山の子達と会っていたんだなと少し驚いてしまいました。
名前を覚えることでその子達をとても身近に感じるようになったことも新たな発見でした。


多くの飼い主さんが犬を気持ちのある生命として認識していると思います。そして気持ちを尊重してもらっているワンちゃん達は幸せですね。ワンちゃんの立場を考えると、普段ペットの世話や散歩をしてくれている方々は本当にありがたいなと感謝いたします。

私達全ての人間が動物の立場に共感を持ち、動物を肉体的にも精神的にも大切にできますように。そして2008年が愛犬と共に皆さんにとってすばらしい1年となりますように!



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